マルちゃんする
我が故郷メキシコでは、日本の即席ラーメン「マルちゃん」が国家的規模の人気食品になり、伝統料理が危機にひんしているらしい。
いくらなんでも伝統料理が危機にひんしているというのは大げさだろうが、いずれにしても「マルちゃん」が国民的人気なのは事実のようである。
このワタクシも故郷のメキシコを去って長いので、現在のメキシコスペイン語における外来語の使用頻度は分からないが、少なくとも日本語のようになんでもかんでも外来語というようなことはないと思う。(というか、そんな〔柔軟な言語を公用語としている〕国は日本だけであろう)
そういう仮定のもとで考えると、「マルちゃん」という日本語がメキシコに同化しているというのはすごいことである。
同化するくらいだから、その国の文化的によく使う言葉であるはずである。
「マルちゃん」の意味が、「簡単にできる」、「すぐできる」というところが、何ともメキシコ的であるという気がしてならない。。。
そして、このワタクシも、「マルちゃん」するのも、食べるのも大好きである。
(引用)
日本の即席ラーメン「マルちゃん」 メキシコで国家的人気
「簡単にできる」意味の言葉にも
【ロサンゼルス=岡田敏一】日本の即席ラーメン「マルちゃん」がメキシコで国家的規模の人気食品になり、メキシコの伝統料理が危機にひんしている-。こんな記事を二十一日付の米ロサンゼルス・タイムズ紙が一面で紹介した。
メキシコでは「マルちゃん」という単語が「簡単にできる」「すぐできる」という意味で使われるという。
記事は「メキシコで昨年約十億食の即席ラーメンが売れた。一九九九年の約三倍で、うち『マルちゃん』は85%の市場占有率を誇る」と説明。人気の秘密を「メキシコの全労働者の約六割は平均日給が十三ドル(約千四百円)以下。しかし『マルちゃん』は約四十セント(約五十円)と手ごろで、簡単に作れ、冷凍の必要もない」と分析している。
一方、「『マルちゃん』は豆や米を使うメキシコの伝統料理に取って代わる勢いだ。われわれはメキシコの食文化を守らねばならない」(メキシコ文化芸術審議会のメンバー)という危機感に満ちた発言や肥満、糖尿病などを懸念する栄養士らの声も紹介している。
「マルちゃん」ブランドを展開する東洋水産(本社・東京)は米現地法人「マルチャン・インク」を一九七二年、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外に設立、北米、メキシコに出荷している。
同社は「先日もメキシコの新聞が、審議を早々と打ち切った議会を『議会がマルちゃんした』と記事にした。いまや動詞として使われるようだ」と話している。
(産経新聞) - 10月22日15時5分更新
(引用終)