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フレンチ魂

 フランスのトゥールーズで週末を過ごすことになったこのワタクシは、当然思い立って、故郷であるスペインの、バルセロナに乗り込むことにした。

 ヤフーマップで調べると、高速道路はトゥールーズからに地中海向って東進し、海にぶち当たったところで南下するというルートになっている。その距離約400km。それを1日で往復しようというのだから相当な強行軍である。しかし、どう考えても、一度海に向って行き、その後地中海沿いに南下するのは遠回りのような気がしてきた。二等辺三角形の二つの等辺を行っている感が否めない。そこで、長い方の辺をアタックすることにした。その行く手にはピレネー山脈が立ちはだかっていて、トゥールーズから遠めに見る限り、山は既に白くなっている。。。
 借りた車には、カーナビが付いていた。正確に言うと、ナビは機能しないが地図が付いていた、というべきであるが。その地図を頼りに、まずはトゥールーズの真南にあるFoixという街まで高速でぶっ飛ばした。ピレネーが近付くに連れて、山が思った以上に雪をかぶっているのが判ってきた。行けるところまで南下して、進めなくなったら山脈の淵を東に地中海まで出るということで腹をくくり、どんどん南下した。高速が終ったところから地道を走ることになったが、ほとんど人家も無いのでスピードは高速道路なみである。教会があって、その周りに集落があるという、典型的なフランスの片田舎をさらに進むと、別れの一本杉ならぬ、大きな分岐点がやってきた。要するに、地中海に抜けるか、山を越えるかの判断を迫られる交差点に到達したのである。その時点での外気温は1度(正午くらい)。目の前は雪を抱いた山脈。。。しかし、このワタクシは、山越えでスペインに向うルート上にアンドラ公国があることを発見。昔、一瞬立ち寄っただけのこの国を再び見ておかなければという思いに駆られた瞬間、山に向って猛発進していた。そこからは、延々と山道である。周りは完全に真っ白になっていたが、幸い晴れていたのと、除雪が行き届いていたのとで、意外にスムースに走行できた。
 地図上では、まだ国境線まで数キロある山頂付近に、突然入国審査をするための事務所が現れた。こんなところで勤務する人も大変なものである。先日のオランダ/ドイツ間の国境なんて高速道路で100キロ以上でぶっ飛ばしていたので気付かなかったくらいであったが(突然言語がオランダ語に変わったので気付いたくらい)、さすがに地道のせいか、とりあえず、屋根の付いた検査場らしきところを通らないといけないようである。とはいうものの、何もチェックされずに通り過ぎた。なお、反対側のフランスに入る方は、数百メーターの渋滞ができていた。
 てっきり、既にアンドラに入ったと思い、それらしき風景(たいていの国なら、国境線を越えた瞬間に、ここぞとばかりに、国名や国旗が並ぶものである)を写真に収めておこうと思ったのだが、何も無い。数キロ進むと、ようやく国旗と国名が並び始めた。どうも先程の検問は、フランス出国のためのものであったようである。どうりで、出国するのにわざわざ検査するわけがなかったわけである。ちなみに、アンドラの入国審査場には人すらいなかった。
 とりあえずアンドラ入国という目的を達成したので、バルセロナに向うことにした。あらためて地図で確認すると、アンドラを突っ切ってスペインに入るよりは、若干戻ることにはなるが、フランスからスペインに入るルートの方が時間的に早そうであった。そこで、今来た道を数キロ戻ってフランスに向った。当然先程の国境を通過することになるのだが、なんと結構な渋滞ができていた。
 ようやく入国審査の番が回ってきたが、案の定、トランクを開けろだの、どこへ行くのだだの、と質問攻めにあった。挙句の果てに、全ての荷物を検査された。。。少しは、オランダやドイツやアンドラを見習ってほしいものである。
 時間を取り戻すべく、すっかり運転に慣れた山道を再びぶっ飛ばした。地図上では、スペインとフランスの国境線の少しフランス側の道を東に向うことになる。しばらく行くと、突然道路標識ががスペイン語に変わった。もうスペインかと思い、車を走らせながらナビの地図を確認しようとしているうちにまたフランス語に変わった。ようやく地図の拡大を終えると、やはり一瞬スペインに入り、またフランスに戻っていた。その間約数百メーターと思われる。ここでは入国検査する気配すらなかった。なお、その数キロ先には仰々しい国境があったが、出国も入国も検査されず、かつての入国審査場のような建物がいたずらに落書きされていた。。。
 その後、さらに200キロくらいをぶっ飛ばしバルセロナに着いた。(バルセロナでの珍行動は別の機会に譲るとして)帰路は、二等辺三角形の二辺を行くことにした。さすがに夜になったので、山越えにはビビったのである。走行距離は、結局のところ既に400キロになっていた。海沿いでも山越えでも一緒やんけ。。。
 バルセロナ市内で車三台が激突していた渋滞に巻き込まれた以外は、高速道路を思いっきりぶっ飛ばすことができた。段々とフランスとの国境が近付いてきた。この高速道路では、明らかに「国境です」という門構えの入国審査場が立っていて、全ての車を止めていた。「どこから来た?」と聞くので「トゥールーズだ」と答え、「どこへ行くのだ?」と聞かれたので「トゥールーズだ」と答えた。その国境からトゥールーズまで250キロくらいあるので、にわかには信じられないようであったが、朝にトゥールーズで車を借りた契約書を見せたらようやく納得したようである。
 案の定、再び徹底的に検査が行われ、トランクどころか、車の中の隅々まで検査していた。コカインでも持っていないか検査していたようであるが、あいにく最近は持っていない。とにかく、何かを見つけ出したかったようであるが、何も無いものは無い。収穫の無かった審査官は憮然とした表情で「OK」となぜか英語で言って、ようやく開放された。
 今週、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス、アンドラ、スペイン、の国境を通過したが、検査官がいたのは、最初のドイツの空港(これは仕方ない)とフランスだけである。それもドイツから飛行機でフランスに着いたときは検査しないのに、なぜ陸路だと徹底的に検査するのかはまったく理解できない。フランスには空路で入るに限る。

 トゥールーズのホテルに戻ったときに、走行距離は815キロになっていた。





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コメント (5)

こば:

日本人で欧州をこのように移動している人は見たことがありません。稀有な方を発見した喜びで一杯です。

84:

是非途中でP市にお立ち寄りいただきたかったです。

Aonori:

 P市は一瞬のうちに通り過ぎました。。。

沙織:

本州縦断くらいの走行距離ですね!!
次の魂シリーズが楽しみです♪

Aonori:

 もうコリゴリです。。。

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