深夜の格闘
そろそろ寝ようかと思っていると、廊下で「パチパチ」という何かが燃えているような音がした。
「まさかボヤか」と、このワタクシは廊下に飛び出した。
すると、目の前を小さな未確認飛行物体が飛んでいった。ものすごいスピードであるが、あっちの壁に当たっては反対に飛び、反対の壁にぶち当たってはあっちの壁に飛ぶという動きを繰り返している。そして壁に止まった。
よく見たら蝉である。
このワタクシは基本的に人間以外の生き物は嫌いである。というより、このワタクシの言うことを聞かない(理解できない)生き物は嫌いである。そういう意味では、物心つかない子供の相手をするのも苦手である。
蝉がこのワタクシの言う「外へ出ろ」という声を聞くわけはない。再び空中で米空軍の飛行訓練さながらのアクロバット飛行を続けている。そして時々止まる。
止まっている間に、このワタクシは恐る恐る風呂場に通じる扉と、物置部屋に通じる扉を閉めた。これで蝉は廊下以外には飛んで行けない。次に玄関の扉を開ければ、外に飛んで行ってくれるであろう。
しかし、蝉もさるもの。玄関の扉にヘバリついて動こうとしない。このワタクシも扉を開けようとするが、近付いたその瞬間に攻撃されても嫌なので、しばらく様子を見ることにした。
数分の睨み合いが続いた後、蝉は再び飛行訓練を始めた。なんとか玄関の扉から離れた位置に移動してくれた。
このワタクシはダッシュして玄関の扉を開け、裸足のまま外に飛び出した。そして、素早く扉を開けた状態で固定し、玄関脇の傘立てから一番長い傘を引き抜いた。
蝉は相変わらず飛行訓練を繰り返している。玄関に近い壁に止まったときには、傘で脅かして空中に追いやり戸外に誘導しようとするのだが、何度やっても、玄関まで来るとUターンして奥に行ってしまうのである。
約一時間ほどの持久戦のあと、遂に蝉の力が尽きたようである。廊下のもっとも玄関に近い地点で、仰向けになってひっくり返った。
このワタクシは傘でその周りを叩いて(さすがに蝉そのものを叩くほどこのワタクシも悪人ではない)、様子をうかがったが動きがない。
そして、恐る恐る顔を近付けると、いきなり飛び立った。飛び立った蝉はこのワタクシの額に激突して、再び墜落した。
穏健派のこのワタクシも、宣戦布告のない「額攻撃」には怒った。そして、再び仰向けになっている蝉を、傘でゴルフスイングし、戸外に叩き出したのである。
蝉は拙宅の入口の真ん前で昇天したようである。とはいえ、そこはマンションの共用廊下である。
自分の家の前の廊下ではカワイソウなので(誰が?)、再びゴルフスイングで数軒先の家の前まで移動させておいた。
よく見たら蝉である。
このワタクシは基本的に人間以外の生き物は嫌いである。というより、このワタクシの言うことを聞かない(理解できない)生き物は嫌いである。そういう意味では、物心つかない子供の相手をするのも苦手である。
蝉がこのワタクシの言う「外へ出ろ」という声を聞くわけはない。再び空中で米空軍の飛行訓練さながらのアクロバット飛行を続けている。そして時々止まる。
止まっている間に、このワタクシは恐る恐る風呂場に通じる扉と、物置部屋に通じる扉を閉めた。これで蝉は廊下以外には飛んで行けない。次に玄関の扉を開ければ、外に飛んで行ってくれるであろう。
しかし、蝉もさるもの。玄関の扉にヘバリついて動こうとしない。このワタクシも扉を開けようとするが、近付いたその瞬間に攻撃されても嫌なので、しばらく様子を見ることにした。
数分の睨み合いが続いた後、蝉は再び飛行訓練を始めた。なんとか玄関の扉から離れた位置に移動してくれた。
このワタクシはダッシュして玄関の扉を開け、裸足のまま外に飛び出した。そして、素早く扉を開けた状態で固定し、玄関脇の傘立てから一番長い傘を引き抜いた。
蝉は相変わらず飛行訓練を繰り返している。玄関に近い壁に止まったときには、傘で脅かして空中に追いやり戸外に誘導しようとするのだが、何度やっても、玄関まで来るとUターンして奥に行ってしまうのである。
約一時間ほどの持久戦のあと、遂に蝉の力が尽きたようである。廊下のもっとも玄関に近い地点で、仰向けになってひっくり返った。
このワタクシは傘でその周りを叩いて(さすがに蝉そのものを叩くほどこのワタクシも悪人ではない)、様子をうかがったが動きがない。
そして、恐る恐る顔を近付けると、いきなり飛び立った。飛び立った蝉はこのワタクシの額に激突して、再び墜落した。
穏健派のこのワタクシも、宣戦布告のない「額攻撃」には怒った。そして、再び仰向けになっている蝉を、傘でゴルフスイングし、戸外に叩き出したのである。
蝉は拙宅の入口の真ん前で昇天したようである。とはいえ、そこはマンションの共用廊下である。
自分の家の前の廊下ではカワイソウなので(誰が?)、再びゴルフスイングで数軒先の家の前まで移動させておいた。
それにしてもいつから拙宅に潜んでいたのだ。。。