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ホームレスのラジオ

 先日ホームレスの家が流された件(参照:「ホームレスの家が流される」)をボヤいたが、ホームレスに関してあることを思い出した。

 今年の7月の参議院選挙日の夜、このワタクシは所用で浅草に向かっていた。
 たまたま時間に余裕があったので、浅草方面からやってきて我が家のすぐ近くで行きどまる「言問通り」を浅草の方に向かって歩いていくことにした。地下鉄で行けば15分くらいであるが、歩いていくとなるとどの程度時間がかかるのかは想像もつかない。途中でバテたら地下鉄に乗ればいいので、とにかく歩き出した。
 いきなり本郷や弥生に向かう上り坂を登り、登りきるとすぐに下ることになる。下りきると今度はすぐに上野寛永寺の方に向かってまた登る。登りきって少し行ったところで、JRの上にかかる大きな跨線橋を超えると再び下りになる。下りきると鶯谷駅の前に出る。
 その辺りで言問通りをはずれ、平行した比較的細い道路を進むことにした。言問通りのような幹線は、日曜日でも車の往来が激しく、うるさくてしかたない。
 幹線をはずれると、一転して非常に静かになった。浅草までは、およそ15分くらいのところにまで進んでいる。
 静かな通りを進んでいくと、小さな公園があった。
 休む必要もないのでドンドン進んでいこうとすると、公園の中から複数の小声が聞こえる。時間も時間なので気になって覗きこんでみたが、人のいる様子はない。公園の中に入ると、何人もの人がベンチやテントで寝ていた。さすがに寝ていては、外からではよく分らない。
 しかし誰も話している感じではない。しばらくその場にいて状況を確認してみると、一人一人が小さな音でラジオを聞いているのであった。さすがに、放送局の数では世界有数の日本だけあり、おのおのが思い思いの放送局を選んで聞いているようである。
 ずっと歩き続けたあとに立ち止まったせいか、また歩き出そうとする力がなかなか湧いてこなかった。結局、少し休憩することにした。
 一つだけあいていたベンチに腰をかけて、しばしボケーッとしていた。寝ている人たちのラジオを聞くともなしに聞いてしまう。
 どうもおかしい。しばらくして一つのことに気がついた。つまり、寝ている人たちは違う局の放送を聞いてはいるものの、内容はすべて同じなのである。全員が選挙速報を聞いていたのである。
 このワタクシは感激した。この国では、公園で寝ている人たちも国政を気にしているのだ。たぶん、公園には投票所に持っていく葉書は郵送されないであろうから、彼らは投票には行っていないはずである。それにもかかわらず、彼らは選挙速報を真剣に聞いているのである。
 感動を覚えつつもふたたび浅草に向かった。
 会うべき人物と会って、このワタクシの得た感動を話すと、その人物はひとこと、「選挙の日には、テレビもラジオも選挙速報しかやっていないでしょう」と言った。。。

(あとがき)
 このワタクシは今でも彼らは選挙速報を真剣に聞いて国の将来を考えていたと思っている。多分、アメリカがテロ攻撃にあった日も真剣にテロ速報を聞いてアメリカを憂えていたと思う。





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コメント (2)

私も、それぞれがラジオを聴いていることに、感動しました。でも、最後のくだり!
ああ、そういう考えもあるなあ、と思った反面、そうは考えたくないなあ、と、強く感じたものです。つまり、あおのりさんに賛成!あれこれと感じたり、考えたりするあまり、普通の社会生活が営めないのでは、と、思ったりして。。。

よっこ様、
 コメントありがとうございます。
 ついでに塾女の心模様について観察させていただきました。
 jなんか感性が似ているような気がしてちょっと嬉しくなりました!

 

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