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「練馬区中村小学校に出動要請」

 このワタクシの車には無線傍受装置が設置してある。もっとも車だけではなく家にも設置してある。

 元々、突然何を思ったのか、エアバンド受信用に買ったものである。ところが、飛行機って見るよりも乗ることの方が圧倒的多いので、エアバンド用に使うことはほとんどなく専ら別の用途で使っている。
 その別の用途とは、消防庁の無線通信の傍受である。
 このブログの昔からの読者の方はよくご存知であるとは思うが、このワタクシ、火事となると真っ先出動しないと気が済まないのである(参照:「火事でぼやく」「救急車が足りない??」)。理由は聞かれても判らない。今まで(無線装置設置前まで)は、消防車の音を聞いてから自分の足で走れる範囲のみに出動していたのだが、最近では車で現場に乗り込んでいる。消防車より早く着くことが密かな楽しみの一つになっている。例のドンキの連続放火のときも非常線が張られる前の現場に到着していた。

 05月03日の夜、一死満塁の好機で今岡が三振するのを見届けたあと、このワタクシは取材(参照:「笑わせる商社マン」)のため足立区の竹ノ塚というところにいた。このワタクシの住んでいる東京と神奈川の都県境からは果てしなく遠いところである。これだけ走れば首都高速の700円のモトは十分取ったに違いない。
 取材のあと、家路に着くべく同じ道を都心方面に向かっていた。
 首都高速の箱崎から先は2ルートに分かれているが、あいにく右回り(5号線、4号線方面)は大渋滞である。おまけにカーナビにはバッテン(事故)のマークが付いている。
 このワタクシは、躊躇せず左回りを選択したが、GW中のせいなのか見事なまでに首都高バトル状態である。勝負を挑まれたら拒む理由はないので、若い連中の暴走を邪魔しながら走っていた。
 ちょうど、首都高速・環状線浜崎橋の直角カーブを曲がったところで無線を傍受した。
 「消防本部より各局へ、首都高速での火災は処理終了。現在撤退中、、、」というようなことを言っていた。さっきの右回りの渋滞は、火災を伴った事故であったらしい。。。既に撤退しているのであれば、わざわざ一周回って行くほどのことでもない。
 すると、次の無線を傍受した。火事というのは起こるときには連続で起こるものである。
 「消防本部より各局へ、練馬区中村、中村小学校に出動要請、、、」
 なにっ、学校で火事かっ。このワタクシの車内にも緊張が走る。と言っても、このワタクシ一人だけだが。。。
 幸か不幸か、車はまだ一の橋のカーブに差し掛かったところである。本来なら次のジャンクションで3号線に抜けないといけないのだが、このワタクシはそのままアクセルを踏み直して環状線を直進した。
 4号線との分岐点である三宅坂までは暴走車両とバトルを繰り返していたが、このワタクシの後ろから一気に前に出ようとする車に対して、ブレーキを一瞬踏み、相手がひるんだ瞬間にアクセルを踏みなおして、差を付けた。その車はなおも前に出ようと頑張っていたが、4号線から合流してきた車に前を塞がれたようで遥か後方に去って行った。。。(そんなことはどうでもよかった。。。)
 気分は首都高バトルのこのワタクシが休日で平穏な5号線に入ると周りの車が遅く感じて仕方がない。それでなくても、このワタクシは火事の現場に急行しているので気分は焦っている。埼玉系のナンバーを付けたファミリーワゴン数台を蹴散らし、北池袋の出口に向かった。
 移動中はナビで目的地の設定ができないので北池袋で出るのがベストかどうかは判らなかったが。とりあえず、出口を出た最初の信号でナビをセットした。さすがは小学校、簡単に場所が特定できた。

 ほどなく現場近くに着いた。反対側から大型の消防車がやってきた。これは先に着けるかもしれない。何とか最後の交差点で先に左折した。しかし、片側一車線の道路には既に消防車二台とパトカー三台が先着していた。
 ここからが肝心である。
 このワタクシは、いかにも近隣の住民であることを装い、ゆっくりと車を動かし、消防車の脇に迫った。幸い「練馬ナンバー」である。(「群馬」ではない) 深夜で野次馬はほとんどいない。このワタクシの車が消防車の脇に止まると、通れないと思ったのか消防車の運ちゃんらしき消防士が消防車のところに駆け戻ってきた。
 「この先通れますか?」と通る用もないこのワタクシは消防士に聞いた。
 「パトカーが止まっているのでちょっと狭くなってますが大丈夫です」と消防士。
 このくだらない会話が重要である。
 場が和んだところで、消防士に「こんな深夜に火事ですか?」とこのワタクシ。
 「体育館のマットが燃えたんです」
 ちなみに、場を和ましていないと、彼らはたいてい火事の詳細を教えてくれない。
 「そうですか~、この深夜に。明らかに怪しいですね~」とこのワタクシ。
 「そうなんですよ。今警察と一緒に現場検証をやっているところです」
 確かに、(暗いからよくは分からないが)体育館とおぼしき大きな建物に、ドラマでよく見るような巨大な光が当てられている。
 これは写真を撮っておかないと。
 一旦その場を離れ、シャッタースポットを探して車をゆっくり前進させた。
 ところが、、、辺りは一方通行の連続である。しばらくクネクネと車を走らせていると再び消防車の前に出た。これはいかん、このワタクシは、近隣の住民(のはず)なので道を迷うわけがない。車をバックさせ別の一方通行に再び入り、またまたクネクネすると校庭の前に出た。これはベストスポットである。カメラを取り出し、校庭越しに体育館とおぼしき建物をフレームに収めた。 、、、が、いかんせん深夜なので何度やってもピンボケしてうまく撮れない。
 しばらくその場にいただろうか。このワタクシはふと気づいた。
 深夜の人気のない真っ暗な場所に一台の車が火事現場を中心にグルグル回っている。挙句の果てに止まって何かしている。どう客観的に見ても怪しい。
 そう思った瞬間このワタクシは帰路についた。

 今このブログを用賀の環八沿いのファミリーレストランで書いている。
 ここまで逃げればもう大丈夫であろう。いやこのワタクシは逃げているわけではない。。。
 いずれにしても、火事が起こって数時間のこの瞬間、あの火事が体育館のマットへの放火ということを知っているのは、現場にいた消防士と警察官とこのワタクシだけである。

 、、、というようなGWを過ごしていて良いのだろうか。。。39歳、独身。。。





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コメント (1)

こま:

練馬区中村小学校。。。私の家から走って3分です。帰国するとココでサッカーしてます。
すごい冒険心と行動力ですね。。。

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