足立ナンバー
先日タクシーに乗ったときのこと。
乗った区間は、太子堂(R246)から渋谷と恵比寿の間辺り(明治通り沿い)である。別にたいした距離ではない。運ちゃんは、「どう行きますか?」と聞いてきたのだが、どないもこないもない。単にR246を明治通りまで行って、恵比寿の方に曲がればよい。もっとも、R246からでは明治通りの交差点は右折できないので、少し六本木の方に行ってUターンしないといけないが。そこで、その旨を伝えた。すると、「この時間だと、あ~でもない、こ~でもない」と色々オプションを提示してきた。うるさいので、「金と時間は気にしないのでお任せします」と丁重に申し上げた。結果的に、運ちゃんは、R246で渋谷まで行き、明治通りに入った。一体全体、何のためにオプションを提示したのか???
事件が起こったのは、このあとである。
目的地は、明治通りを恵比寿方面に見て右側に少し入ったところである。あいにく、右に曲がるところには信号がなく、中央分離帯が少し切れていて、その部分は右折可となっている。
運ちゃんは、その切れ目のところで車を一時止めて、反対車線の流れが途切れるのを待っていた。明治通りなので、片側二車線である。つまり、二車線とも車の流れが切れるまでタクシーは右折できない。
あいにく、より歩道よりの車線には、バスが三台続いてやってきて道路をブロックしている。気を利かせた、三台目のバスの後の乗用車が少しスペースを空けてくれている。我々から見て手前の車線では、数台の車が明治通り上の信号が変わるのを待っている。ちょうど中央分離帯の切れ目のところ、つまり我々がまさに右折しようとしているところでは、我々のタクシーが、どうにかこうにか曲がれるか曲がれないか、というくらいの車間しか空いていない。
運ちゃんは大きくハンドルを切り(車の)頭を突っ込んだ。しかし、曲がりきれそうにない。何回かハンドルを切り返したが、やはり無理である。
、、、と、その瞬間、運ちゃんが叫んだ、「だから、足立ナンバーは困るんだよ。道を譲ろうとするヤツなんてどこにもいないっ」
一瞬事態が読めなかったが、どうやらこの車間を曲がりきれないのは、明治通り上に並んでいる「足立ナンバー」の車が車間を取っていないから、という論法らしい。その車からするといい迷惑で、我々のタクシーが右折しようとする前からそこにいるだけに、その車が悪いとは言い切れない。
それよりも、頭にきたのは、「足立ナンバー」を人くくりにしたことである。あるグループを一まとめにしてモノを言うヤツにロクなヤツは絶対にいない、と常々思っている。
これは、一発かましておかないといけない、と思って、「おっさん、オレも足立ナンバーやけど、なんか文句ありまっか? そもそも、足立ナンバーの全てが悪いような言い方してまっけど、全部確認したんでっか?」と言い放ってやった。なお、実際のこのワタクシの車のナンバーは「練馬」である。自分でも時々「群馬」と見間違えてしまうが。
「いえ、その、、、」、と運ちゃんはシドロモドロである。
シドロモドロの運ちゃんを見ながら、このワタクシもシドロモドロになりかけていた。というのは、「足立ナンバー」の所有者なのに、バリバリの大阪弁で喋ってしまったからである。 慌てて、「もっとも、人生で最初に譲り受けた車のナンバーは『なにわ』でっせ。あんたら、『なにわ』っちゅうだけで、ボロクソに言うとんねやろ、どうせ」と付け加えた。
ますますシドロモドロの運ちゃんは、なんとか狭いスペースを抜けて、目的地に到着した。
お金を払うと、「お客さん、おっしゃるとおりです。失礼致しました」という運ちゃんのか弱い声がかすかに聞こえた。
また、巷で人間教育をしてしまったのである。
余談ではあるが、「なにわ」も「(和)泉」も「大阪」も「神戸」も、この関東の地では、危険なナンバーとよく言われているが、そんな危険なナンバーの所有者だらけの近畿での事故の発生件数が他の地域を圧倒している訳でもなく、むしろ少ないくらいである。上記のなんでも一括りにする意見もおかしいが、統計に基づかない意見もおかしい。もっとも、関西人(と一括りにするのも本当はいかのだが)は、このワタクシも含めて、世間で作られた関西人像に、(わざわざ応えなくてもよいのに)応えようとするからタチが悪いのだが。つまり、「なにわ」ナンバーが危険だと思っている人に、それを利用してビビらせようとするこのワタクシも同罪かもしれない。さらに、関西弁を喧嘩にしか使わないこのワタクシは、かなりレベルの低い人間である。。。
事件が起こったのは、このあとである。
目的地は、明治通りを恵比寿方面に見て右側に少し入ったところである。あいにく、右に曲がるところには信号がなく、中央分離帯が少し切れていて、その部分は右折可となっている。
運ちゃんは、その切れ目のところで車を一時止めて、反対車線の流れが途切れるのを待っていた。明治通りなので、片側二車線である。つまり、二車線とも車の流れが切れるまでタクシーは右折できない。
あいにく、より歩道よりの車線には、バスが三台続いてやってきて道路をブロックしている。気を利かせた、三台目のバスの後の乗用車が少しスペースを空けてくれている。我々から見て手前の車線では、数台の車が明治通り上の信号が変わるのを待っている。ちょうど中央分離帯の切れ目のところ、つまり我々がまさに右折しようとしているところでは、我々のタクシーが、どうにかこうにか曲がれるか曲がれないか、というくらいの車間しか空いていない。
運ちゃんは大きくハンドルを切り(車の)頭を突っ込んだ。しかし、曲がりきれそうにない。何回かハンドルを切り返したが、やはり無理である。
、、、と、その瞬間、運ちゃんが叫んだ、「だから、足立ナンバーは困るんだよ。道を譲ろうとするヤツなんてどこにもいないっ」
一瞬事態が読めなかったが、どうやらこの車間を曲がりきれないのは、明治通り上に並んでいる「足立ナンバー」の車が車間を取っていないから、という論法らしい。その車からするといい迷惑で、我々のタクシーが右折しようとする前からそこにいるだけに、その車が悪いとは言い切れない。
それよりも、頭にきたのは、「足立ナンバー」を人くくりにしたことである。あるグループを一まとめにしてモノを言うヤツにロクなヤツは絶対にいない、と常々思っている。
これは、一発かましておかないといけない、と思って、「おっさん、オレも足立ナンバーやけど、なんか文句ありまっか? そもそも、足立ナンバーの全てが悪いような言い方してまっけど、全部確認したんでっか?」と言い放ってやった。なお、実際のこのワタクシの車のナンバーは「練馬」である。自分でも時々「群馬」と見間違えてしまうが。
「いえ、その、、、」、と運ちゃんはシドロモドロである。
シドロモドロの運ちゃんを見ながら、このワタクシもシドロモドロになりかけていた。というのは、「足立ナンバー」の所有者なのに、バリバリの大阪弁で喋ってしまったからである。 慌てて、「もっとも、人生で最初に譲り受けた車のナンバーは『なにわ』でっせ。あんたら、『なにわ』っちゅうだけで、ボロクソに言うとんねやろ、どうせ」と付け加えた。
ますますシドロモドロの運ちゃんは、なんとか狭いスペースを抜けて、目的地に到着した。
お金を払うと、「お客さん、おっしゃるとおりです。失礼致しました」という運ちゃんのか弱い声がかすかに聞こえた。
また、巷で人間教育をしてしまったのである。
余談ではあるが、「なにわ」も「(和)泉」も「大阪」も「神戸」も、この関東の地では、危険なナンバーとよく言われているが、そんな危険なナンバーの所有者だらけの近畿での事故の発生件数が他の地域を圧倒している訳でもなく、むしろ少ないくらいである。上記のなんでも一括りにする意見もおかしいが、統計に基づかない意見もおかしい。もっとも、関西人(と一括りにするのも本当はいかのだが)は、このワタクシも含めて、世間で作られた関西人像に、(わざわざ応えなくてもよいのに)応えようとするからタチが悪いのだが。つまり、「なにわ」ナンバーが危険だと思っている人に、それを利用してビビらせようとするこのワタクシも同罪かもしれない。さらに、関西弁を喧嘩にしか使わないこのワタクシは、かなりレベルの低い人間である。。。
コメント (5)
恐るべし。。。
投稿者: 私設秘書 | 2006年02月06日 22:19
日時: 2006年02月06日 22:19
このワタクシ昔“土浦”というナンバーの車を乗ってた時期があったが、さすが上京の時は電車。。。いまははれて(!?)品川ナンバー。。。
投稿者: りん33 | 2006年02月10日 18:52
日時: 2006年02月10日 18:52
映画「下妻物語」を涙して見ていた貴殿のことを考えると、「土浦」ナンバーの方が似合っているような気がします。。。
投稿者: Aonori | 2006年02月10日 20:30
日時: 2006年02月10日 20:30
そもそも、このタクシーの運転手は何故、「足立ナンバー」を一くくりにして蔑視したのかを、もう少し掘り下げて考えては如何か?
>上記のなんでも一括りにする意見もおかしいが、統計に基づかない意見もおかしい。
どうしてこのようなおかしいことが起こるのかを注意深く考えれば、世間の見方が変わり、このブログも更に面白くなること請け合いです。
投稿者: らふぁえる | 2006年04月23日 10:55
日時: 2006年04月23日 10:55
らふぁえるさま、
コメントありがとうございます。
各ナンバー別の事故発生状況など、少し調査してみます。
投稿者: Aonori | 2006年04月26日 05:10
日時: 2006年04月26日 05:10