こうすればテロができる、のか?
先日の東京を中心とした大停電は送電線を数本損傷した結果起こったという、ある意味お粗末な事故である。そこで、同じことをすればテロが起こせるという意見もある。
以下のPJニュース(って何?)を読んでいてどうも腑に落ちないことがある。
記者はマスコミがバカ正直に事実を伝えるは「テロのやり方」を教えているものだ、と言っているが本当にそうなのか? 確かに、1億人以上の人口を抱える国である以上、報道を見てテロを起こそうというヤツもいるかもしれない。
このワタクシ、報道に対しては何度もぼやいてきたし、報道そのものを鵜呑みすることの危険性を何度も訴えてきた。
しかし、事実をきちんと報道しないというのが最も怖いことである。
ロンドンのテロは未然で防がれたが、これとて「テロのやり方」を世界のメディアが60億人に伝えている。なぜだ? 事実を伝えるというのが報道だからである。
この記者のいう「報道した結果どうなるかをもっとよく検証して責任のある報道活動をしてもらいたい」というのがよく判らない。事実を報道するなということなのか。まさに、記者の言うとおり、報道は「何も考えないで見過ごしていれば、ふつうの報道」をしているのである。
多分、報道した結果、国家という機能は、「次はこうならないようにしよう」と考えるであろう。それが間違っているとは思えない。
なんてことを書いているが、いつも報道をぼやいているこのワタクシとしては、この記者の言いたいことがなんとなく分らないでもない。
しかし、これだけ読めば、火のないところに煙を立てている夕刊紙のようにしか読めないのである。
本気でぼやくときは絶対にツッコミを入れられてはいけない、、、というのがこのワタクシのポリシーである。(と言いつつ、いつもツッコマれるのだが。。。)
記者の訴えたい最も重要な点が欠落しているような気がしてならない。
少なくとも、報道は「平和ボケ」していたから、事実を報道していたのではなく、彼らの職務をまっとうしただけであろう。
報道は、「雷が落ちました」とでも言っておけば良かったのか。。。 それでもテロリストを雷を人工的に作るだけだが。。。
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「報道をぼやく アーカイブ」
(引用)
livedoor ニュース - こうすればテロができる―マスコミ報道のバカ正直さ
【PJニュース 08月15日】- 東京都江戸川区と千葉県浦安市の境を流れる旧江戸川で14日の早朝、クレーン船が東京電力の送電線に接触して損傷させた。その影響で約139万1000世帯が停電、東京メトロや東急電鉄などは変電所に電力が受けられなくなって運転停止、都内260箇所の信号機も停止して警察官が交通整理にあたるなど、東京・千葉・神奈川の一部で市民生活に多大な影響を及ぼした。
何も考えないで見過ごしていれば、ふつうの報道である。首都圏で被害が大規模に及んだ停電があって、その原因がクレーン船だったという話なのだが、日本の報道機関がいかに「平和ボケ」をこじらせているかという好例でもある。
たかだか送電線1本損傷しただけで、これだけの影響が出る。しかも一国の首都圏である。これが何者かの手によって故意に行われたら、立派なテロではないのか?つまり報道各社はまるで鬼の首でもとったように「大変です、こんなに影響が出ました」と先を争って報じているが、逆の見方をすれば「このようにすればテロなんて簡単にできるよ」と知らせているようなものだ。
滅多にない大事件だから浮き足立つのはわかるけれど、報道した結果どうなるかをもっとよく検証して責任のある報道活動をしてもらいたい。
(引用終)