当局公認のコンドーム
世界のコンドームを研究してきたこのワタクシとしては、少々インパクトの小さい記事ではあるが、とりあえず紹介。
(引用)
“市公認のコンドーム”登場!
(ゲンダイネット - 03月11日 10:00)
この春ついに、ニューヨーク市に市ブランドのコンドームが登場した。「NYCコンドーム」と、命名に芸がないが、黒地に地下鉄の丸い列車サインをあしらったカラフルなデザインは、文句なしにかわいい。
日本もアメリカも同じで、各市町村の「我が町グッズ」はいろいろあれど、市政府によるオフィシャルコンドームが作られたのは、全米広しといえど、これが初めてだ。
しかも、市内のあらゆるバーやレストラン、セックス博物館(五番街にあるんだ、これが)、医療施設や学校で無料で配布されている。バーはともかく学校で――日本の読者にしてみれば「なにゆえに?」。学校とは大学はもちろん、小中学校、高校のことだ。自動販売機のような箱が校内に置かれ、生徒が自由に取ることができるようにしている学校もある。
日本の良識ある教育者の皆さま、「学校でコンドームを配るとは何事だ!」と怒るなかれ。これは子供の性行為をあおるためのものではなく、「ダメと言っても聞かないのだから、せめてちゃんとプロテクションをして、性病、妊娠を予防しましょう」という、きわめてニューヨークらしい開き直った姿勢なのだ。
これまでもずっと、市保健局によってコンドームは無料配布されてきたが、このかわいいパッケージでもって、さらなる普及をという試みだ。
このNYCコンドーム、中身は「ライフスタイル」というコンドームメーカーの商品とまったく同じもの。住民の血税で大量注文しているのだから、「無料だ!」と大騒ぎするのもばかばかしいかも。
とりあえず、私も含めたニューヨーク市在住日本人にとってはありがたい存在になりつつあるのは確か――「次の帰国土産はこれだ!」。日本にNYCコンドームが出没する日も近いかも。
【2007年3月8日掲載】
(引用終)
なぜあまりインパクトがないかというと、これが単に既存のコンドームにニューヨークブランドを乗せただけというところである。
これが、風味付であったり(参照:「風味付きコンドーム(あおのり世相をぼやく)」)、ムードを壊さない仕掛けがある(参照:「ムード壊さないコンドーム発明(あおのり世相をぼやく)」)なら、多少の衝撃もあろうが。
また市内で配布しているとあるが、このような例は過去にもあるし(参照:「ワールドカップベイビーが激減!?(あおのり世相をぼやく)」)、既にコンドーム販売機設置を義務化している国もある(参照:「コンドーム設置義務化(あおのり世相をぼやく)」)だけにそれほどのインパクトはない。単に全米で初というだけでは、コンドームファンを納得させることはできない。
ちなみに、コンドームを膨らませる競争をやっている国もある。(参照:「コンドーム早膨らませコンテスト(あおのり世相をぼやく)」)
但し、日本でこのような時代が来るのは当分先であろう。