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ボストン茶会事件

 昨日書いた「ボストン春巻事件」。
 タイトルは、何気なく付けたものの、なんとなく「ボストン茶会事件」と似ていて、我ながらクールな気がしてる。(多分、このワタクシ以外は、誰もそんなことは思っていないと思うが。。。)

 、、、で、久しぶりに「ボストン茶会事件」のことを思い出した。
 って言っても、別にこのワタクシが、茶会事件に遭遇したわけでも、茶会に出た訳でもない。(そらそうよ)
 とりあえず、ボストンの観光名所であるボストン港の「茶箱投げ込み体験」をやったことはやったのだが。

 本国が植民地に掛ける関税に対抗する形で発生した「ボストン茶会事件」って、間違いなく「アメリカ革命=独立(1776)」に繋がり、そして、「フランス革命(1789)」にも繋がり、やがて世界中の植民地が本国に反抗なり、独立していくキッカケとなる世界史における重大事件である。
 その「ボストン茶会事件」という言葉は当然翻訳で、元々の英語は「Boston Tea Party」であるだけに、超直訳すると「ボストン茶会」となる。
 「応仁の乱」とか「本能寺の変」とかに比べると、世界に影響を与えた事件という割には、「茶会」というのはなんとなく心の和むネーミングである。もし、信長暗殺が「本能寺茶会事件」だったら、明智光秀は良いヤツのように感じてしまうかもしれない。
 そのせいかどうかは判らないが、「Tea Party」の「Party」は「パーティ=会」ではなく、「政党」とか「徒党」という意味ではないかというまことしやかな意見を聞いたことがある。つまり、「ボストンお茶党」っていうのである。確かに、自民党の「党」も、英訳すると「Party」だ。

 すると、「ボストン茶会事件」は世紀の誤訳なのか。
 ここで、このエントリーの最初に書いた「、、、で、久しぶりに「ボストン茶会事件」のことを思い出した」に戻る。
 このワタクシが思い出したのは、「ボストン茶会事件」は誤訳なのかそうではないのかを一度自ら調べたことがあるということを思い出したのである。

 調べたことをウダウダ書いても仕方がないので、結論を急ぐことにするが、「ボストン茶党事件」を主張するのは、英語しかできないヤツとかアメリカかぶれが多いというのがこのワタクシの感想である。もちろん英語ができなければ、こんな話題に興味を示さないのだが、逆に英語ができるヤツに限って自分の知っていることを偉そうに言いたがるところがあるのは現実である。それは、「英語」でなくても、人のできない事をできるヤツは自慢するものである。(オレがそうだもん)
 その点において、この「Party」って単語を文字通り「パーティ」と訳し、世界的な政変を「茶会」と訳すのはあまりにも幼稚なだけに、「キミたち、茶会じゃないよ、茶党だよ」って言うのは、偉ぶりたいヤツには格好の材料というような気がするのも事実である。


 結論として、1773年時点で、「Boston Tea Party」という政党が存在したという文献は見当たらない。(違う時代にはあったようだ)
 政党が存在しないのに、ない政党名を使うとは思えない。
 おまけに、英語でも日本語でも同じだとは思うが、「ボストン茶会事件」は「本能寺の変」と同じく「イベント」である。「Boston Tea Party」を直訳した「ボストン茶党」なんていうイベントがある訳がない。一方、「ボストン茶会」なら「茶会」なのでイベントである。
 1773年のイベントを指して、「あ~、ボストン茶会のことね」って言うなら自然だが、「あ~、ボストン茶党のことね」なら単に政党の名前を言っているだけでしっくりこない。
 つまり、「ボストン茶会事件」は、ボストンで茶会をやったことを、日本語訳者は「とはいえ、これって単なる茶会ではなくて事件だよな~」と思い、「茶会」に「事件」をくっ付けた「名訳」ではないかと考えるのがこのワタクシの意見である。
 それでは、なぜ「茶会」なのか?

 誰でも知っていることだが、ボストン茶会事件とはこういうものである。
 植民地側は、大量の茶葉を積んで入港してきたイギリス東インド会社の船から茶葉の荷降ろしをさせないようにしたため、船がボストン港に足止めされてしまった。
 その船を襲った入植者達がインディアンの仮装をして、「ボストン港をティーポットにしようぜ!わ~い、わ~い!」と、海の水をポットの水と見立て、茶葉をぶち込んだ。
 まさに、「ティーパーティ=茶会」である。

 「茶会」という言葉自体は、(特に日本語では)和やかなイメージを持たせるが、ある意味、ものすごくイギリスを皮肉ったえげつないネーミングと言った方が正しいかもしれない。


 なお、これは、あくまでも語学屋としてのこのワタクシの意見であり、正しいかどうかは知らない。(っていうか、「茶党」は間違いだろう)


(関連エントリー)
 「毛むくじゃら事件





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コメント (2)

ひまひま:

外国語の訳を見て、時々 残念に思うのは、
その言葉が、その国の人達にとって
どんな印象を持っている言葉なのか伝わらないことです。
歴史の教科書で『テニスコートの誓い』なんて初めて知った時には、
「なんじゃ?こりゃ?」と思いましたし・・・

この場合の「Tea Party」という言葉は、
アメリカ人にはどんな印象を持たれているのでしょうか?

あおのり:

ひまひまさま

 確かに、現地の人の受け取るニュアンスってのは知りたいところですね。
 いくらヴェルサイユ宮殿のテニスコートに集まったとはいえ、「テニスコートの誓い」は安易に付けすぎなようなきがしないでもありません。

 ちなみに、「Tea Party」には「紛争」の意味もあります。
 だから「Boston Tea Party」はある意味「ボストン紛争」ですね。
 もっとも「Tea Party」に「紛争」の意味が付いたのは、「Boston Tea Party」以降ですが。。。

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