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大人の玩具が爆弾に

 アメリカのシカゴで、出国時の安全検査中の男が、不審物を爆弾であると説明して逮捕されたらしい。
 どうやら不審物は大人の玩具のようであったが、横に母親がいたため、そうとも言えず爆弾だと言ってしまったとの事である。

 うーむ、持っているモノが持っているモノだけに、別のモノであると言ってしまう気持ちは判らなくもない。
 そのときの彼の頭の中では、母親の方が安全検査官よりも恐ろしい存在であると咄嗟に判断してしまったのだろう。 

 しかし、なぜ爆弾と言ってしまったのだ?
 こればかりは推測のしようもないが、昨今テレビをつければ「飛行場」と「爆弾」が同時に語られているケースも少なくない。
その結果、あまりに焦った状況下で、サブリミナルな部分で反応してしまったのではないだろうか? 
 いずれにしても、ドンクサイとしか言いようがない。

 それにしても、昨今の飛行機の安全検査には目に余るものがある。
 このワタクシ、トンでもない回数飛行機に乗る生活を送っているが(参照:「Pancho de AONORI FLYING HIGH」)、時々ひどい目に遭うことがある。詳細は省くとして、最近一番頭にくるのはUS航空である。
 アメリカでは、搭乗手続きをする乗客から無作為にチェックを強化する乗客が選び出される仕組みになっている。こればかりは、機械的にやっているので、誰が当選(?)するか判らない。当選すると、搭乗券に「SSSS」と刷り込まれていて、安全検査場で搭乗券を見せると、係がニタッと笑って、「スペシャル・レーンに行け」と言い渡される。ロサンゼルス国際空港やシカゴ国際空港等の巨大空港で当選すると大変なことになってしまう。通常のレーンでも「ベルトをはずせ、靴を脱げ、パソコンを出せ、などなど、ぶつぶつ、、、」とうるさいのだが、スペシャルレーンではたいていの場合、荷物に手に触れることもできず椅子に座って待たされる。そして、係が念入りに10分くらいの時間を掛けて荷物チェックを始めるのである。1人に10分も掛けていたら、10人いたら、1時間以上待たされるハメになる。このワタクシも、この結果、飛行機に乗り遅れたことがある。
 日本に居住していて世界一周の旅を毎月のようにしているこのワタクシとしては、数ある飛行機会社の同盟の中でも、全日空の加盟しているスターアライアンスに頼ることになる。世界一周は当然トンでもない金額だが、スターアライアンスの世界一周チケットだとかなり金額をセーブできるからである。日本航空のように同盟に加盟していない航空会社を使う気は初めからおこらない。
 毎月世界一周しているおかげで、スターアライアンスはゴールドカードである。
 そのせいかどうか判らないが、アメリカの国内線でも、ユナイテッド航空の便に乗るときに、「SSSS」当選搭乗券をもらったことはない。
 一方、US航空であるが、こちらは100%当選するのである。だから、US航空に乗るときは、最初から4時間くらい前に空港に行っている。

 では、なぜUS航空だけ当選するのか。
 答えは簡単である。
 基本的に、アメリカの安全検査の仕組みというのは、上記のとおり「無作為」であるのだが、ある目的地とある目的地の単純往復のチケットを持っていない乗客に対しては、自動的に「スペシャルレーン送り」にする仕組みになっている。また、外国で発券した国内線チケットもほぼ確実に当選するのである。(アメリカ当局、TSAから聴取)
 だから、例えば、東京とLAの単純往復のチケットを持っていて、思い立ってラスベガスに片道飛行機、片道レンタカーで行くと、飛行機の片道は「スペシャルレーン」送りとなる。よってこんなチケットは絶対に買ってはいけない。最低でも、もしくは、乗らなくても、ラスベガスの往復のチケットを買った方が無難である。もっとも、金を払うくらいなら1時間の検査を受けたほうがマシかもしれないが。。。

 この前提において、ユナイテッド航空などは、「そんなことしていたら、ほとんどの客がスペシャルレーン送りになる」ので当局と掛け合った結果、若干基準を甘くしている。だから、単純なクジ引きなのでほとんど当たらない。
 ところが、US航空ときたら、どの空港においても「当局の決めたことだ」の一点張りである。おかげでこのワタクシは、去年だけでも数十回のスペシャルレーン送りを食らっている。今ではその搭乗半券が山のように積み上がっている。
 毎回、「おいおい、いつもスペシャルレーンでっせ」と束になった半券を見せつけても、「当局の決めたことだから。。。」でスペシャルレーンに送り込まれてしまう。挙句の果てに、「文句があれば当局に電話しろ」と電話番号を渡されるのがオチだ。
 このワタクシの行くような辺鄙なところでは、たいていアメリカ人しか他に客がいないので、このワタクシは少し声を荒げて、「自由の国アメリカ人は黄色人種を差別するのかっ」と呟いてみる。すると、安全検査官は、「いやそんなことは。。。」と言うのだが、すかさず「じゃ、この束はなんだ?」と搭乗半券を見せつける。「アメリカ人でこんなにスペシャルレーン送りになるヤツはいるのか?」とさらに追い討ちをかける。当然、そんなヤツがいる確立はほとんどない。その半券の束ほど飛行機に乗る人もほとんどいないだろう。「ま~、自由の国のやり方には従うが。。。」とか皮肉を言いながら椅子に座って検査を待つ。検査を早く終わらないとこの黄色人種がさらに何を言うか判らないので、おのずと検査は早く終わる。なお、あまり言い過ぎると別室に連れて行かれる可能性があるので、適度にしておかないといけない。
 ちなみに、アメリカ人のスゴイところというか、教育レベルの高さというか、公共の場での「差別」という言葉には非常に弱い。
 このワタクシとて、別に検査を受けたくないわけではない。昨今の世界的な状況から見れば、検査は徹底的にやってもらいたいものである。
 しかしながら、今のアメリカの空港の検査のやり方では「絶対に」テロは防げない。
 このブログを読んだテロリストは、間違いなくアメリカまでの往復チケットを買って、アメリカ国内で往復チケットを買うであろう。(このブログがテロリストに読まれることはないとは思うが、、、一般人にもほとんど読まれていないのだから。。。)

 
 話は大きく逸れたが、件の大人の玩具を爆弾と言ってしまった男は、単に「土産のおもちゃ」とでも言っておけば良かったのではないのか。どうせチェックはされたのだろうだから。

(「国境検査」関連)
 「ぱんちょな恋の物語:米国入国審査
 「ぱんちょな恋の物語:米国入国審査(2)
 「ぱんちょな恋の物語:オーストラリア入国審査
 「あおのり世相をぼやく:先進国の首都の「国際」空港


(引用)
Ananova - Passenger tried to pass off penis pump as bomb
A Chicago man told airport security he had a bomb in his luggage - because he didn't want his mum to know it was a penis pump.
Mardin Azad Amin, 29, was questioned after security at the city's O'Hare Airport discovered a suspicious-looking object in his bag.
Amin, who was set to fly to Turkey, told security the object was a bomb, reports the Chicago Sun-Times.
In fact, he was trying to disguise the fact that the black object was a component for a penis pump.
Amin eventually told investigators he'd lied because his mother was standing nearby and he didn't want her to know about it.
Amin faces up to three years in prison if convicted, said Andrew Conklin, a spokesman with the Cook County state's attorney's office.

livedoor ニュース - Hグッズの親バレ恐れた男、最悪の言い訳でタイホ=米イリノイ州
【ライブドア・ニュース 08月24日】- AP通信によると、米イリノイ州シカゴで、手荷物検査の際に出てきた不審物の言い訳に窮し、よりによってもっと不審なものだと言ってしまった男が逮捕された。
 マディン・アサド・アミン容疑者(29)は16日、母親とともにトルコに向けて出国しようとしていた空港で、手榴弾のような持ち物を見とがめられた。警官らが取り囲む中、手荷物から出てきたのは、ペニスポンプと呼ばれるいわゆる大人のオモチャ。
 ここで正直に言えば、ちょっと恥ずかしい笑い話ですんだだろうが、困ったことにそこには母親がいる。その目の前でいかがわしい品を持っていると認めるわけにもいかず、進退きわまったアミン容疑者の口から飛び出したのは、なんと「……爆弾です」と、いま一番言ってはいけない単語だったのである。
 もちろんその場で即刻逮捕、正真正銘のアダルトグッズだとわかってからも、今度は重度治安びん乱容疑で起訴される見通しで、有罪になれば最高で懲役3年を科せられるおそれがあるということだ。
(引用終)





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