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北京の渋滞報道に思う

 中国・アフリカ協力フォーラムの会合が始まった北京では、交通渋滞の緩和に向け、市政府などの公用車49万台を使用禁止にしたとのことである。

 公用車だけで50万台近くもあることが驚きではあるが、いずれにしても、中国のみならずアジアの新興国の大都市の交通渋滞には目に余るものがある。(と言いながら日本もそうなのだが)
 
 このワタクシが最初に北京に行った頃(1980年代)には、車を見ることの方が珍しいような街であった。
 あの頃の北京は、まさにイメージどおりの自転車の洪水であった。
 1990年代になって自動車の数が増えてはきたが、渋滞なんてものは考えられなかった。
 1995年頃になって、長安街を見下ろすオフィスから、珍しいものでも見るように皆で渋滞を見ていたことが懐かしい。
 世紀が変わった頃から、渋滞は激しくなってきて今に至るのだが、今では真昼間に街の東側から街の西側に移動するのは至難の業である。

 日本のように、ある程度は先進文明と共同歩調で歩んできた国では、自動車が徐々に普及する中で都市計画も作られてきたことから、地下鉄や高速道路も「それなりに」作られているが、ソウルや北京やジャカルタやバンコクのような都市になってくると、いきなり車だけが増えるので大渋滞してしまうのは仕方がないことである。
 とはいえ、あとから発展する方が、発展のスピードは速いことは間違いないので、旧先進国もウカウカしておれないことだけは確かである。

 そんなことよりも、中国がアフリカ諸国を集めて協力会議までしているということは、アフリカ50数カ国との関係はより強化されるということは間違いなく、国際会議レベルで、世界の25%近い票が中国に流れるのは、日本にとっては間違いなく脅威である。それでなくても、中国は国連の常任理事国である。
 日本は、先にあれだけ発展していながら何をしていたのだろう?
 ナンバー2の座に安穏として、「援助するならうちよりも発展している国が。。。」なんて思いつつ、知らないうちに金だけは出していて、まったくその見返りもない。
 いまだに新興国程度のレベルである中国に見習うことは多いはずである。

 なんてことを、報道は伝えるべきではないのだろうか。
 外国(特に近隣諸国)の批判だけなら、一般庶民でもできるのである。
 北京の渋滞が緩和しても日本の国際的地位に何の影響もないが、北京の公用車の数を知ることによって、中国をバカにする民衆が増えるだけである。
 それ自体が悪いこととは思わないが、事実を見誤わせる報道が多過ぎる。。。


(「報道をぼやく」)
 「報道をぼやく アーカイブ

(「中国でぼやく」)
 「中国でぼやく アーカイブ


(引用)
公用車49万台を使用禁止に=渋滞が緩和-北京
(時事通信社 - 11月02日 19:01)
 【北京2日時事】中国・アフリカ協力フォーラムの一連の会合が1日始まった北京では、交通渋滞の緩和に向け、市政府などの公用車49万台を使用禁止にした。2日付の中国紙・北京日報が報じた。こうした努力の結果、市内の交通量は大きく減少し、普段は渋滞が深刻な幹線道路でも車がスムーズに流れている。
[時事通信社]
(引用終)





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