清原逆転サヨナラ満塁本塁打!
キヨハラがやった~!
なんとなくキヨハラの野球人生を象徴しているようなホームランのような気がする。
よく「記録に残る選手」と「記憶に残る選手」という言い方をするが、後世の野球ファンが各年度の記録だけを見たら「清原」に気付かないであろう。人の記憶なんてものは怪しいような気もするが、少なくともキヨハラは記憶には残る選手である。
「逆転満塁サヨナラ本塁打」なんてのがプロ野球史上何本出たのかは知らないが、「満塁サヨナラ本塁打」がパリーグで32本ということは、パリーグに限っても32本よりは少ないわけ(満塁だけにほとんどが逆転ホームランかもしれないが)で、いずれにしても大した数ではない。
では、「満塁サヨナラ本塁打」を何本覚えているかとなると、このワタクシのように「人生=野球観戦」のような人間でも、2001年の北川(近鉄)の優勝を決めたホームラン(このときは「逆転満塁サヨナラ本塁打」の前に「代打」まで付いたこの上ないものであった)と10年ほど前の広島対阪神で葛西が緒方に打たれたもの、そして同じ頃の阪神対横浜でグレンが打ったもの(これも確か「代打」であった)しかすぐに出てこない。そう言えば、記録としては単打になったが、2004年のシーズンの終盤に新庄も打ったような記憶が(確かランナーを追い越して、と言うよりも前のランナーが興奮してバックしてきた。。。)。 記録を調べれば、「あった、あった」とうなずくのであろうが、「すぐに言え」と言われたらあまり出てこない。
しかし、このキヨハラのホームランは忘れないであろう。なぜなら、打ったのがキヨハラだからである。
キヨハラのスゴサは誰もが認めるところであろうが、読売時代のキヨハラはウットウシイ存在であった。別にキヨハラがウットウシイのではなく、あのユニフォームを着ているからウットウシイだけなのだが。あの、阪神が「縦ジマを横シマに変えてでも阪神に来て欲しい」と言ったときに、阪神に行かなかったことをどうこう言うつもりはない。あの時の阪神にワザワザ行くヤツはアホである。
しかし、キヨハラは読売にあれだけの年月もいる必要があったのだろうか。
もう少し早く違うチーム、特にDH制のあるパリーグに戻っていたら、彼はもっとスゴイ記録を出していたに違いない。それが一野球ファンとして悔やまれてならない。
入団の経緯に始まり、、、「自分をふった読売という球団を見てみたい」と言って読売に行ったキヨハラにとって読売とは一体全体どういう球団だったのか。。。
そして、キヨハラはサヨナラ本塁打数の新記録を作ってプロ野球界を去るのであろう。
(引用)
<オリックス>横浜降す 清原のサヨナラ満塁本塁打で4連勝
2006年5月27日(土) 21時58分 毎日新聞
○オリックス7―6横浜●(セ・パ交流戦)
オリックスは、清原の逆転サヨナラ満塁本塁打で4連勝。3点を追う九回1死満塁で、清原がクルーンから右越えに2試合連続となる4号を放った。6失点ながら完投した平野佳が5勝目を挙げた。横浜はクルーンが誤算で4連敗。
▽オリックス・中村監督 あれは神業、人間技じゃないよ。(清原が)心技体が充実している証拠だな。長い野球人生の中でも、記憶に残るゲームやったよ。
▽横浜・牛島監督 逆転された後、すぐに逆転したし、いい展開だった。何とか勝ちたかったが。(清原は)真っすぐを狙ってたんやろな。(クルーンが)走者をためたのがなあ。
◇「ファンの声援がバットに当ててくれた」清原
誰も予測できない劇的なフィナーレだった。3点を追う九回1死満塁。清原のバットから放たれた打球は、右翼席中段で大きく跳ねる逆転サヨナラ満塁本塁打。その瞬間、2万3500人の観衆の視線がカクテル光線に照らされたボールに釘付けとなった。右手を天高く突き上げ、ダイヤモンドを一周した清原は、総立ちとなったファンを前に自らマイクを握り締めた。「みなさん、奇跡が起きました」
クルーンの初球は150キロ。タイミングが合わず豪快に空振り。「あんな速い球打たれへん。三振か本塁打か、どっちかや」。バットに当てることだけを考え、カウント1―1からの3球目、低めの152キロの速球をフルスイング。今度は手応え十分だった。
自ら「奇跡」と称した逆転弾だが、「打席でちらりと頭をよぎった」と予感はあった。前日の決勝本塁打に続き、この日も四回に勝ち越し適時打を左中間に放っている。「センター方向にイメージ通りの打球だった」と振り返ったように、好調が続いていたからだ。
「プロ生活で一番うれしい本塁打やった。でも自分の力ではない気がするね」。試合後、興奮気味に振り返った言葉は本心だろう。チームは連敗続きで自身は2軍生活が続いた。清原目当てに球場へ足を運ぶファンに対して「申し訳ない」と繰り返す日々だった。「ファンの声援がバットに当ててくれた」。誰よりもファンを大切にする清原からの、最高のプレゼントとなった。【和田崇】
○…先制されたオリックスはプロ5年目の後藤が、三回に同点ソロアーチを放った。「練習からいい感じでバットが振れていた」と横浜・門倉の141キロをジャストミート。右翼ポール際に飛び込む同点弾となり、「やっと今季初ホームランが打てた」と声を弾ませた。今月1日に左足首じん帯を痛め登録を抹消されたが、守備の要でもある平野恵、阿部真が骨折し戦線を離れたのを受けて、26日に1軍復帰。スタメンを外れた中村の代役となったが、「とにかく結果を残したい」と話していただけに、まずはホッと一息。
○…縦に落ちるスライダーを巧みにすくい上げた“技あり”の一発だった。1点を追う五回、1死一塁から横浜・石井が右翼席に放った逆転2ラン。チームリーダーの一振りはチームに勢いを与え、続く六回は1死一、二塁から村田、相川が連続適時打。一挙3点を奪ってオリックスを突き放した。
11日にプロ34人目となる2000本安打を達成した以降も、無安打だったのは3試合のみと打撃が安定している石井。この日も一回、オリックスのルーキー平野佳から144キロの初球をいきなり左翼線へ弾き返し、先制点のきっかけを作った。だが一方で、自身の好調さが必ずしもチームの勝利につながらず、歯がゆさも感じている。若手の台頭が著しいチームの中で、奮闘を続けるプロ18年目のベテラン。自らのバットで果たすべき役割を示している。
○…オリックス清原が土壇場で千両役者の本領を発揮した。3点を追う九回1死満塁。デビュー以来、10本のサヨナラ本塁打を放ってきた清原にはまたとない舞台だ。クルーンの3球目。150キロを超える速球をフルスイングではじき返した。手応えは十分。清原は、一塁に向けて走り出すこともなく打球の行方を見守る。打球が右翼席に飛び込むのを確認すると、少年のような笑顔でダイヤモンドを一周した。「あんな速い球は、普通なら打てない。お客さんの声援が後押ししてくれた」。38歳が、率直に感激を表した。
★逆転満塁サヨナラ本塁打 オリックスの清原和博内野手(38)が27日の横浜戦の九回に記録。満塁サヨナラ本塁打はパ・リーグ32人目。清原自身は巨人時代の01年7月14日の広島戦以来2本目で、両リーグで記録したのは史上初めて。清原の満塁本塁打は11本目。サヨナラ本塁打はこれで通算11本となり、野村克也と並ぶプロ最多タイ。
[ 5月28日 4時30分 更新 ]