これも日米の野球の違い?
夕刊フジのヤンキース担当が、記者協会会員資格を剥奪され、年間の取材資格を奪われたとのことである。
報道によると、問題になったのは、クレメンスの350勝達成の試合の写真をクレメンスにプレゼントし、サインを貰ったことらしい。
しかし、この「報道」、どこか解せないものがある。
というのは、書いた人曰く、
・取材する記者も新しい環境に順応する必要があるが、周囲の記者たちの行動を見ていればわかるようなものではないだろうか。
・ジャーナリストとしての根本的な意識の問題だと指摘する声もある。
・米国人記者が、選手にサインをねだるなど考えられない。
とのことらしい。
そもそも、「周囲の記者たちの行動を見ていればわかるようなものではないだろうか」というのが一番頭にくるのだが、一体何様のつもりなんだ。
「ジャーナリストとしての根本的な意識の問題だと指摘する声」って誰の声なんだ。
だいたい、「声もある」とか「消息筋」とか書いてある場合は、捏造というのがこの国(日本)のマスコミの常套手段ではないのか。
「米国人記者が、選手にサインをねだるなど考えられない」のであれば、なぜクレメンスはサインしたのだ?
なんとなく、オレはちゃんとやっているが、ダメなヤツはやはりダメだと言わんばかりの論調である。
そして、最も欠落しているのが、一体に何に違反したから「記者協会会員資格を剥奪」されたのかという部分である。何度読んでも判らない。この報道では、なんとなく、サインをねだることが悪い事くらいしか判らない。
また、「今回の事件は、関係者には耳が痛すぎたのか、国内ではこのAP電を報じる大手メディアがなかったのも象徴的といえよう」って、あまりに日本のメディアに対する評価が高すぎる。
報道したばかりに自分の耳が痛くなっても、くだらない報道とか足の引っ張り合いをするのが日本のメディアだということも知らないようだ。
ただ、一つ「その通り!」と思ったことがある。
「米国人記者が、選手にサインをねだるなど考えられない。日本では政治家とも“友人”になろうとしたり、アドバイスを与える記者がいるというが、取材相手に近づきすぎると、自分たちの本来の仕事ができなくなることは明白じゃないか」(米国大手新聞社記者)という部分である。
本当にジャーナリズムを主張するのであれば、悪い点も指摘していかないといけない。そういう意味では近付きすぎるというのは問題である。
とはいえ、これはこの記事を書いたオッサンが言っている訳ではなく、あくまでも米国大手新聞社記者が言っているだけである。この米国大手新聞社記者が実在するのであればだが。
いずれにしても、夕刊フジを批判したい気持ちは判らないでもないが、一方的にアメリカが良い的な発想のこの記者自身に、「取材相手(アメリカそのもの)に近づきすぎると、自分たちの本来の仕事ができなくなることは明白じゃないか」という言葉を送りたい。
(引用)
これも日米の野球の違い?夕刊フジ記者の、ある“羞恥”
サインしたクレメンスも罪人か??<サイゾー10月号より>
7月2日にNY・ヤンキースの投手ロジャー・クレメンスが、通算350勝を達成。その快挙の裏で、ある日本人記者が起こしたトラブルが、同月18日、AP通信によって世界中に配信された。夕刊フジのヤンキース担当H記者が、快挙達成記念にと同紙のカメラマンが撮った写真をクレメンスにプレゼントし、彼のサインをもらったことが問題視され、記者協会会員資格剥奪、年間の取材資格を奪われたというのだ。
H記者は、今年からヤンキース担当になったばかりだというが、「メジャーに来る日本選手同様、取材する記者も新しい環境に順応する必要がある」とAP電で非難されている。当のH記者は「(そんな規則があることを)知りませんでした」(AP電)としているが、周囲の記者たちの行動を見ていればわかるようなものではないだろうか。さらに事の収拾を図ろうと、夕刊フジの編集局長がメジャーリーグ選手会とヤンキースに謝罪の手紙を送ったというが、APの取材に対して、同局長は「担当記者が現場の規則を知らなかったとは、本当に恥ずかしいこと」(AP電)と反省の弁を出している。
夕刊フジによると、記者協会資格を剥奪されても、試合ごとに取材の申し込みをすれば、記者席にも入れるということだ。
しかし、これは規則を知る知らないの問題ではなく、ジャーナリストとしての根本的な意識の問題だと指摘する声もある。
「米国人記者が、選手にサインをねだるなど考えられない。日本では政治家とも“友人”になろうとしたり、アドバイスを与える記者がいるというが、取材相手に近づきすぎると、自分たちの本来の仕事ができなくなることは明白じゃないか」(米国大手新聞社記者)
サインをもらうどころではなく、取材に行った女子アナが野球選手と「デキちゃう」のが当たり前の日本。今回の事件は、関係者には耳が痛すぎたのか、国内ではこのAP電を報じる大手メディアがなかったのも象徴的といえよう。
2007.09.26 水
(引用終)