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五本指ソックス(2)

 このブログの賢明な読者の方々は既にご承知の通り、このワタクシは五本指ソックスを愛用している。(「五本指ソックス」参照)
 今では、普通の靴下を履くことはまったくない。もっとも、実際には、靴下を履くときは五本指というだけで、靴下そのものを履かないことのほうが多いということは否めない。(「刃物男、中学生6人から衣服奪う」)

 先日、アメリカのサンフランシスコからソルトレークシティまで飛行機に乗っていた。
 飛行機の場合、乗ってみないと機内の温度が判らないので、とりあえず靴下を履いていた。靴下を履いている以上靴も履いていた。
 昔、海外に行ったときに、暑いところだからと思って薄着で乗り込んだところ、あまりに冷房が強過ぎて風邪を引いてしまうという事態を引き起こして以来、基本的に知らないところでは、厚着をモットーにしている。

 飛行機に乗り込んだ瞬間から、靴を脱いで足をブラブラさせていた。
 とにかく飛行機ってのは、すぐに足がだるくなって困る乗り物だ。
 東京からサンフランシスコまでの飛行で十分に疲れていた足を少しでも楽にしたかったのである。

 隣の席には、前世はカウボーイだったのではないかと思ってしまうような、典型的なアメリカの田舎モン風の男が座っていた。
 この男、客室乗務員に、「お勧めのワインはなんだ?」とか聞いている。
 おまけに、自分のメモ帳を出して、「そこに書いておけ」と言ったかと思えば、「署名しておけ」と命じていた。
 うるさい客だなと思っていたのだが、次のターゲットはこのワタクシになった。

 「おまえはサンフランシスコに住んでいるのか?」と元カウボーイ。
 「いや、日本から今サンフランシスコについて乗り換えたのだ」
 「お~、ジャパニーズ!! おまえ、日本酒は飲むのか?」
 「飲まないこともない」
 「悪いが、このメモにお勧めの日本酒の名前を書いて署名しておいてくれ」
 と、いきなりメモ帳を渡された。

 面倒くさいな~、、、と思いながら、思案したのだが、実は、このワタクシ日本酒どころか酒を飲むことはほとんどない。
 だから、お勧めと言われても何も出てこない。
 とりあえず適当に書いておこうと思ったのだが、いくら考えても、こういうときに限って酒の名前が浮かんでこない。
 とりあえず、そのメモ帳の他のページを見たりしてみたのだが、どうもこの元カウボーイは会う人会う人にお勧めのアルコールを聞いているようで、様々な人が署名入りの「お勧め」を書いていた。

 しばらくすると、元カウボーイが突然叫んだ。
 「お~、ワンダフル!」
 今度は何だ?
 「おまえの靴下どこで買ったんだ? アイ・ラブ・ユア・ソックス!」
 「おう、これか、これは日本で通販で買ったものだ」
 「アメリカでは買えないのか?」
 「悪いがアメリカで売っているかどうかは知らない」
 「そうか。。。」
 たかだか靴下にひどく落ち込んでいる。

 しばらくおとなしくなったかと思ったら、再び話しかけてきた。
 「悪いが、日本の通販の会社の名前かURLを教えてくれ」
 「う~む、これまた悪いが、それは覚えていない」
 「じゃ、その靴下の名前は何だ?」
 「こんなものブランドでも何でもないので名前なんかない。それどころか日本人はみんな昔からこれだ」
 ちょっと法螺を吹いておいた。

 元カウボーイ、このワタクシの足もとまで顔を下げて、ジロジロと靴下を眺め回している。
 既に10時間以上も飛行機に乗っているこのワタクシの足はさぞかし臭かったと思うのだが。。。(参照:「仕事は仕事」)
 せっかくなので、ファンサービスとして、このワタクシの特技である、「足指10本バラバラ動かし」を見せつけてやった。

 「ブランド名じゃなくてもいい。一般的になんと呼んでいるのだ?」
 「ファイブ・フィンガー・ソックスだ」
 かなり適当である。
 「お~、ファイブ・フィンガー・ソーーーックス!!」
 ちゅうか、そんなに驚かなくても、そのままやろ。
 この男、このワタクシに手渡していたメモ帳を奪い取り、「ファイブ・フィンガー・ソックス」と書き込んでいた。

 結果的に、このワタクシは、日本酒の名前を書き込む必要はなくなったのである。
 その後も、元カウボーイの視線は、このワタクシの足から離れることはなかった。。。





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