路上に怪しい物体
ドイツ東部の路上に「赤、オレンジ、緑のブヨブヨした物体」が落ちていたことから、バイオ化学の専門家、消防士、警察が出動する大規模警戒態勢を引き起こしたにもかかわわらず、落ちていたのが単なるゼリーであったという珍事件があったらしい。(そんなアホな。。。)
現地では、有害廃棄物ではないかという疑いから、地域一帯が封鎖され、軍用化学兵器防護スーツを着用した専門家たちが2時間かけて調査を行ったということである。(そんなバカな。。。)
このニュースを読んで、「人間分らない物を目にしたときは何をするか分らない」ということを痛感したある事件を思い出した。
今から20年近く前だが、このワタクシ、イランの片田舎に長くいたことがある。
ようやく帰れると空港に向かったところ、空港のセキュリティチェックでとっ捕まった。(参照:「飛行機にダイナマイトを持ち込んだ男」)
当時は、今では考えられないことだが、日本のニュースを唯一知ることができたのが、短波放送で流されるNHKの国際放送だけであった。阪神の試合の結果をタイムリーに知るにはこの短波放送を聴かなくてはいけない。
そこでこのワタクシは、当時では最上級の短波受信機を買い、電池が切れたときのために大量の乾電池を持ち込んでいたのである。
その乾電池がやり玉にあがった。
セキュリティのアンちゃん曰く、「これは何だ?」と。
「これは乾電池である」と一応英語で答えたが、「バッテリー」程度の英語が通じない。もちろんイランなので英語で話したこちらが悪いといえばそうなのだが。
すったもんだの挙句、アンちゃんは「オープン」と言うので、何のことかと思っていると、手で乾電池を開ける仕草をするのである。(そんなアホな。。。)
窮地に陥ったこのワタクシは、短波受信機を取り出し、音を鳴らしてから乾電池を抜いて、乾電池を抜いたら音が鳴らないということを実演して、その奇妙な物体が音を鳴らすためのものだと証明してみせることで、ようやく事態を収拾させたのである。
ちなみに、このワタクシが乾電池を短波受信機から取り出すときに、アンちゃんは5メートルほど後ろに飛び退いたのが面白かったのだが。
イランという国情からすると、あの物体を爆弾と勘違いしたことは、ありえない話ではない。
おまけに、その頃の中近東では、日本人=赤軍過激派という図式が成り立っていただけに仕方がないといえば仕方がない。
このワタクシの友人にも、現地出発前に駐在員の奥さんが「お腹が空いたときにでも」と言って作ってくれた「おにぎり」を爆弾と勘違いされ、お腹が空いてもいないのに食べる羽目に陥った男もいる。
昨今の世界情勢からすると、ゼリーといえども注意するに越したことはない。。。
(「怪しい物体」関連)
「「座りション男」増殖中」
「メキシコに火の玉現る。。。」
「深夜の格闘」
(引用)
路上の怪しい物体、その正体はゼリー | エキサイトニュース
[ 2006年10月11日 09時58分 ]
[ベルリン 9日 ロイター ] ドイツで、道ばたに捨てられていた結婚披露宴の残り物のゼリーが、バイオ化学の専門家、消防士、警察が出動する大規模警戒態勢を引き起こした。
東部の都市ハレの警察広報は語る。
「通行人が、赤、オレンジ、緑のブヨブヨした物体が道に落ちているのを見て、警察に通報しました」
有害廃棄物ではないかという疑いから、地域一帯が封鎖され、軍用化学兵器防護スーツを着用した専門家たちが2時間かけて調査を行った結果、それがゼリーだとわかった。
「消防隊はいつも最悪のシナリオを仮定する必要があります。私たちは様々なテストを行った結果、それがゼリーであるとの結論に達しました」と、消防隊の広報は語った。
新婚カップルの夫は翌日昼にベッドから呼び出され、ゼリーが米国で「ジェロ」と呼ばれるもので披露宴の残りであることを確認し、それを片付けることに同意した。
(引用終)