埼玉西武ライオンズで良いのか??
プロ野球実行委員会は、西武が来季から球団呼称を「埼玉西武ライオンズ」に変更することを承認したようだ。
現在のプロ野球では、地域密着が一つのキーワードとなっているだけに、当然の方向性ではあるのだが、少し遅すぎたような気がしてならない。
それ以前に、そもそもの問題は、ここ10年くらいで大きく流れが変わってしまった野球界において、西武が「武蔵の西の方」であろうが、「埼玉」であろうが、それで良いのかということである。
プロ野球のチームで、首都でも県庁所在地でも政令指定都市でもない市に本拠地があるのは、西武と阪神だけである。
首都でも県庁所在地でも政令指定都市でもない市に本拠地があるという時点で、より人口の多い方から人に動いてもらわないと客が入らないという状況になってしまう。それを人々は、「立地条件が悪い」と言うのだが、確かに、甲子園も西武球場も、都会側から見れば立地条件は非常に悪い。(但し、阪神の場合は、政令指定都市に挟まれた所に本拠地があることを考えれば、実は最も立地条件が良いのかもしれないが)
そもそも(福岡のライオンズがゴタゴタ続きという事実があったとはいえ)なぜ西武が球団を買収したのかはよく知らないが、少なくとも今の場所に本拠地を置いた理由はあったはずである。
東京の都心に住んでいるこのワタクシが西武球場のナイターなんかを見に行くとトンでもないことになってしまう。
電車は満員にもかかわらず、池袋までトロトロと止まるのである。「アホな」と思っていると、確かにポツリポツリと人は降りていき、終点の池袋ではほとんど客はいない。(阪神電鉄が、試合終了と同時に全ての電車が大阪・神戸方面行きのノンストップ特急になるのとはえらい違いである。沿線の住民なんてなかなか自分の駅に行く電車が来ない)
つまり、西武は十分地域密着している訳であり、沿線の西武ファンは尊重されるべき存在に違いない。
結局、問題はその部分で、地域密着はしていたものの、その地域での収益性がなかっただけではないのか?
それは、西武球団のマーケティングのミスかもしれないし、事前の調査不足かもしれない。
本当かどうかは知らないが、本拠地のお台場移転計画も、「地元住民」と「西武鉄道内部」の反発で流れたと言われている。
収益性のない地元住民と鉄道という不動な(その場所から動かすことのできない)事をビジネスとしている以上、もはや限界ではないのだろうか?
同じような構造のチームは、一都市から日本有数の政令指定都市に本拠地を移したにもかかわらず、つい最近消滅してしまったし、鉄道会社自体が球団を持つ時代が終わってしまったのではないのだろうか?
プロ野球の歴史において、かつては様々なメディアや鉄道会社が跋扈していたが、今となっては幾つかの特異な例を除いてほとんどの企業が球団を手放している。
良い悪いは判らないが、鉄道会社がプロ野球球団を持つ時代ではないような気がする。(阪神って、本当に不思議な球団だ。。。)
西武ライオンズのプロ野球史に残した歴史は素晴らしいものがあるが、資本主義社会である以上利益優先である。
そして、この毎年のように赤字を出す球団は、地域に税金すら還元していない。
(関連エントリー)
「ライオンズ踏んだり蹴ったり。。。(あおのり世相をぼやく)」
「ライオンズに踏んだり蹴られたり。。。(あおのり世相をぼやく)」
「ファイターズの躍進に思う(ぱんちょな恋の物語)」
(引用)
来年から「埼玉西武ライオンズ」に=実行委員会が了承-プロ野球
2007年11月06日19時46分
プロ野球の実行委員会が6日、都内で開かれ、西武が来季から球団呼称を「埼玉西武ライオンズ」に変更することを承認した。地域密着を目指す同球団が申請したもので、14日のオーナー会議の了承を得て1月1日から新チーム名となる。
〔時事通信社〕
(引用終)