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メリークリスマス!2007

 毎年、春が来たら夏が来るように、今年もクリスマスはやってきた。

 どうして外国の行事で人々は大騒ぎするのか、どうしてこのワタクシがイスラム教のフリをしないといけないのか、まったくもって意味の判らない習慣である。(参照:「この時期」)
 大体、子供のときですら、貧しい我が家にサンタさんが訪れたことはなかった。サンタさんは、金持ちを探してプレゼントを届けるようである。
 そして、大人になると、「愛」という「お金」とは別の要素がクリスマスを支配し、どちらにも縁のないこのワタクシは、人から離れたところで、イスラム教のラマダン(断食)をクリスマスに行うことになる。
 40年以上も生きていれば、そういうクリスマスの過ごし方にもすっかり慣れてきた。
 とにかく、12月24日と25日は、人の多いところに行かないに限るのである。

 12月23日の朝一番の飛行機で、このワタクシは、沖縄に旅立った。
 このワタクシの脳の中の40%を占めているサーフィンをするためである。
 そして、このワタクシの行きつけのサーフショップのスタッフ達も、クリスマスなんて関係なく海に入っているに違いないことはよく判っていた。
 沖縄に着くなり、海に入った。
 この時期の本土では考えられない温かい海である。
 久しぶりのサーフィンに加え、日頃の運動不足も祟って、パドリングで両腕はパンパンにはなったが、なんというか、心地のよい疲労である。
 連日、スタッフのテルリンと居酒屋で飲みまくった。
 「クリスマスですね~」とテルリン。
 「でもそんなの関係ね~」と流行りの台詞でさらに一杯グビッといくこのワタクシ。
 「ですよね。サーファーにナンパなクリスマスなんて関係ないさ~」
 気が付いたら、泡盛の瓶が数本転がっている。

 このワタクシは、25日の夕方の飛行機で東京に帰ってきた。
 那覇空港で出発を待っている間、「ちょっとメールの確認でもしてみるか」とパソコンを取り出した。
 あれれっ、、、なんとパソコンのPCカードスロットに突っ込んであったネット接続用PHSのアンテナが折れ曲がっているではないか。。。
 急いで家を出たために、ゴルフ用のボストンバッグにパソコンを無造作に放り込んだのが失敗であった。
 どこかに当てたのか、もしくはバッグの中の他の物とぶつかったのかのどちらかだろう。
 一応、通信をトライしてみたものの、繋がる気配はまったくなかった。
 このワタクシにとって、パソコンとPHSは、命とパスポートの次に大事なものである。
 羽田に着くや否や、有楽町の量販店に駆け込んだ。
 結果的に、新しい製品も出ていたので、そちらを購入して、翌日からの仕事には間に合わせることができた。ある意味、これが、今年の自分へのクリスマスプレゼントである。
 
 既に時間は22時くらいになっていたが、せっかく有楽町にいるので、行き付けの銀座の店にでも顔を出そうと思い、有楽町駅の下を抜け銀座に向かった。とにかく腹が減っていた。
 数寄屋橋のスクランブル交差点で信号を待っていると、なんとなく横から視線を感じるので見てみると、名前は思い出さないが、旧知の人物がいた。
 確か、はるか昔働いていた会社で世話になった大先輩の一人である。もう定年間際ではないのだろうか。
 「いや~、御無沙汰しております」とこのワタクシ。
 「元気?」と大先輩。
 その場で、立ち話で近況を確認しあった。
 どうやら、大先輩も会社は大分前に辞めていて、独立されているとのことである。
 「これからどこ行くの?」と大先輩。
 「ちょうど今行き先を思案していたところです」
 「じゃ、一緒に行く?」
 「そりゃもう是非とも!」
 「じゃ、知ってる店でよかったら」

 我々は、銀座の串揚屋に入った。
 どうも店の奥の方は携帯の電波が入りにくいらしく、手前の席に座ろうと大先輩は言って、最も入口に近い席に我々は座った。
 「実は、俺は、今宴会帰りでもうかなり食ってきたから、気にせずドンドン食って」と大先輩。
 「はいっ」とこのワタクシ。
 展開的に、どう考えても大先輩の驕りだろう、、、と考えたこのワタクシは、文字通りドンドン食った。
 大先輩は、焼酎をチビリチビリやっている。
 我々は、この数年間のお互いのやってきたことを語りあった。
 時折、大先輩の携帯にはメールらしきものが送られてくるようで、話をしながらも大先輩はメールを送り返したりしていた。
 「いや~、そのお年で、手馴れてますね~」とこのワタクシ。
 「そんなこともないよ。取りあえず簡単な文章くらいのやり取りはできるけど」
 「たいしたもんです」
 「それはそうと、実は、このあと人と会うことになっていてね~」
 「そうですか」
 「で、場所を今メールで送ったら、あと10分くらいでここに来れるとのことなんだ」

 そう言うと、大先輩は店員にお勘定をお願いした。
 店員に渡された伝票を受け取った大先輩は、その伝票を机の真ん中に置いた。
 展開が違う。
 大先輩は、財布から半分に近いお金を出そうとしている。
 これは割り勘ということなのか。
 食べ物はこのワタクシ一人で食っている。大先輩は焼酎を2杯しか飲んでいない。
 これを割り勘にするのは、いくらなんでも気が引ける。 
 「先輩、ほとんど私が食べましたので、ここは私が払います」とこのワタクシ。
 普通は、ここで、「いいよ、いいよ、俺が払うから」となるのが世の常である。
 「あっ、そう。じゃ~よろしく」
 えっ、とこのワタクシが言う間もなく、伝票がこちらに渡された。場所は天下の銀座である。
 このワタクシが、内心を顔には出さないように極めてさりげなくクレジットカードを店員に差し出すのとほぼ同時に、「お待た~」と言って25歳くらいの女性が入口から入ってきた。

 「先にホテルで待ってようと思ったんだけど、数寄屋橋の交差点でコイツに会っちゃって。。。」
 コイツってこのワタクシか?
 クレジットカードがこのワタクシのもとに帰ってくると、大先輩は「それじゃっ」と言って女性の肩に腕を回して去っていった。
 去り際に大先輩が一度だけ振り返り、「メリークリスマス!」と言ってウインクした。「おえっっっ」
 
 クリスマスに人の沢山いるところに行ってはいけない。
 こんなことなら、ファーストフードで良かったやんけ、クソッタレめが。。。

(追記)
 大体このブログに載っているほとんどのエッセイが作り話なのに、毎年クリスマスだけは悲しい「実話」を書いているのは、一体全体なぜなんだ?
 ア~メン、、、じゃなくて、アッラー。。。


(関連エントリー)
 「メリークリスマス!2006





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コメント (2)

部下:

そろそろ、年末のクリスマスが近づいてきましたね。
今年はどんなことが起こるでしょうかねぇ~??(^^)

あおのり:

部下さま

 骨折はもう懲り懲りです。。。

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