ケチでセッカチな大阪人というが
インターネットのアンケートで、電化製品の購入時に値切る大阪人は41%、東京人は26%という結果が出たことから、「ちまたで言われている定説の正しさが数字で裏付けられた」と報じられている。
時々「大阪対東京」ネタで調査が行われ、それが話題になるのだが、別に大阪と東京を比べるなんてことは、数百年やっているだけに今さら面白くもなんともない。
たとえば、この「ケチ調査」だが、「値切る」ということだけでケチかどうかなんて判るのだろうか。
少なくともこのワタクシが理解する大阪人は、買い物の場でも会話を楽しむ民族である。つまり、値段を提示されても「値切るという会話」を楽しんでいるだけで、本当に値切り切ったケースは少ないはずである。
「おねえちゃん、ちょっと負けて~な」
「いや~、そりゃ無理やで~」
「そこをなんとかして~な」
「もう鼻血もで~へんがな」
「ほな、今度茶シバキに行こ」
「なんでやねん」
「しゃいなら~」
と会話が続いているだけの話で、「値切る」と「値切った」は別物である。
また、このような調査で「値切りますか?」聞かれても、「オモロイから値切ることにしといてやろう」という輩が少なくないというのも大阪の凄いところである。とにかく、「オモロイ」が「正確なデータ」よりも優先されるわけである。(そうじゃなかったら、横山ノックを知事にしまっかいな)
一方、東京だが、、、世界でも有数のディスカウントの電気街を持つ東京で値切る必要があるのだろうか。
というよりも、そもそもディスカウントなのである。ケチが多いから安く売っているのではないのか。
「お客さん、3万8千円です」
「あっ、そう。はいカード」
会話が続かない。。。
しかし、心の中では「もう少し安かったら良かったのに。。。」と呟いている。
問題はここからである。
自虐ネタでは他に追随を許さない大阪人、この調査結果を見て、「見てみぃ、大阪人はほんまケチやで」と他で言いふらしていることでしょう。そのうち、本当に自分たちはケチなような気になってしまう。
一方、東京人、「やっぱ、大阪人ってケチだよね~」と、いかにも東京人は大阪人よりも優秀なような気になってしまう。
そして、それ以外の地方の人もまた、「やっぱ、大阪人ってケチだよね~」と簡単に東京についてしまうのである。
その結果、なぜか大阪だけが日本から浮いてしまうのである。。。(それはそれでいいのだが)
他のケースでも、例えば方言の話題になると、必ず関西弁が引き合いに出される。
「関西人はどこに行っても方言を変えない」などと。
しかし、現在の標準語と関西弁にそれほどの違いがあるのだろうか。違いは、イントネーションと語尾くらいである。単語そのものはほとんど違いがないので、多少のイントネーションの違いや語尾の違いくらいでは通じてしまうわけである。だから特に変える必要はないのである。
そもそも、日本語が上方を中心に発展してきた以上、近畿の言葉が全国で通じないわけはない。
しかし、東京>大阪=東京弁>大阪弁=標準>オモロイ、という構図が全国的に認知され、他の地方の人々まで大阪弁を馬鹿にする傾向になってしまう。
そして、その状況に大阪人は満足してしまうのである。それは、京都に都があったときも同じであろう。
だから、大阪とどこかを比較する調査をしてもまったく意味がなく、こんな調査に一喜一憂しても仕方がないのである。
、、、なんて事を書いているこのワタクシ自身が、「俺ら、関西人はほんまケチでんねん」なんて言いながら秋葉原でも値切っているのである。。。
(「大阪」関連)
「大阪女と振り込め詐欺」
「大阪のブランドイメージ」
(「県別比較」関連)
「大阪対京都」
「東京対福岡」
「世界で最も親切な都市」
(引用)
けちでせっかちな大阪人 調査で裏付け | エキサイトニュース
[ 01月16日 20時16分 ]
電化製品の購入時に値切る大阪人は41%、東京人は26%-。東京と大阪の計600人を対象にしたインターネットのアンケートで、けちでせっかちとされる“浪速っ子”の実像が浮かび上がった。調査した社団法人「大阪アドバタイジングエージェンシーズ協会」(大阪市)の宮川進事務局長は「ちまたで言われている定説の正しさが数字で裏付けられた」と話している。
(引用終)
コメント (2)
会話を楽しむ余裕が関西人にはあるってことなのだと考えますです。
時期も時期ではありますが…本年もよろしくお願い致しますm(_ _)m
投稿者: 竹ぞう | 2007年01月17日 08:47
日時: 2007年01月17日 08:47
いつもながら、深いお話でありました。m(__)m
秋葉で値切るは、すごいですね~(笑)
投稿者: よっこ | 2007年01月17日 14:05
日時: 2007年01月17日 14:05