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ジャンパー

 このワタクシ、ほとんど映画を見ることはない、、、ということはアチコチに書いている。(参照:「博士の愛した球団」、「天国で君に逢えたら、、、」)
 ラブストーリーであれ、コメディであれ、ホラーであれ、とにかく涙もろいのである。
 おまけに、映画を見た後の数日間は、主人公になりきってしまってロクなことはない。ロバート・デ・ニーロや高倉健になってしまった結果、トンでもないことに何回も遭遇した。とにかく、自分がマフィアややくざの親分だと思ってしまうのである。

 そんなこのワタクシが、先日、フィリピンからの帰りの飛行機の中で『ジャンパー』を見てしまった。
 なんでそんなことになったのかというと、たまたま前方スクリーンでやっていた映画が、日本語の字幕付だったのである。
 最初は、ボケッと画面を眺めていたのだが、とりあえず日本語は読めてしまうので、何気なく字幕を追っていた。
 フッと気が付いたら真剣に見ている自分に気付いてしまった。
 客室乗務員が前を横切ろうものなら、体をよじってでも字幕を追っているのである。(それなら、ヘッドセットを使え、という話なのだが)
 
 とにかく、主人公があっちこっちにジャンプしていくという話なので、突然スフィンクスの上に現れたり、エンパイヤ・ステイト・ビルに現れたり、銀座に現れたり、と目まぐるしく展開する。
 いずれにしても、最後まで見てしまった。。。


 問題はこれからだ。
 幸か不幸か、主人公がジャンプした先のほとんどにこのワタクシは行ったことがあった。
 話の筋によると、主人公は見たことのあるところには飛べるというのである。
 「それなら、行ったことのあるところには飛べるだろう~」と、既に主人公に成りきっているこのワタクシは思い込んでいた。
 目をつぶって、「さあどこに飛ぼうか」と過去に行ったことのあるところを思い巡らせていた。
 もはや主人公に成りきったこのワタクシを止めることは誰にもできない。

 このワタクシは、バルセロナにジャンプした。(なぜバルセロナかは、こちらを参照:「バルセロナで泳ぐ」) 
 もちろん、地中海に面したビーチだ。
 どうも最初のジャンプなので、うまく着地できなかったのか、なぜなのか、体が激しく揺さぶられた。

 「間もなく着陸です。シートベルトをお締めください」
 このワタクシの体を激しく揺さぶる客室乗務員。
 目が覚めた。。。


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